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三 叉 神 経 痛

 三叉神経痛とは、歯磨きや洗顔、食事など何か顔に刺激が加わったとき に電気ショックのような激しい痛みが片側の顔の一部を貫く病気です。痛みは30 秒から1分ほどで収まりますが、何か物を噛んだり再び刺激が加わると
またズーン と痛みに襲われるため、食事が摂れなくなったり、顔が洗えなくなったりしてし まいます。初めは歯の痛みと間違えられることも多く、抜歯しても治らないとい うことで初めて脳神経外科を受診する方も多くみられます。ひどい人では風があ たるだけでも痛みに襲われるため、頭巾(ずきん)で顔半分を隠して生活している人すらいます。  どちらも頭の中で、脳から出てくる神経に血管がぶつかって刺激するために起 こることがわかっています。顔面けいれんでは耳の後で脳幹から出てくる顔面神 経に細い血管がぶつかっていますし、三叉神経痛では、同様に三叉神経を細い血 管が圧迫しています。この血管の圧迫により神経の絶縁が剥れてしまうため、局 所で漏電が起こりこの漏電の刺激で顔が反応性にピクついたり、脳に伝わって激 しい痛みと感じてしまうのです。こうした血管はもともとは神経とは遠く離れたところを走行しているのですが、動脈硬化などで血管が次第に蛇行するようにな り、運悪くこうした神経にぶつかってしまった人が発病すると考えられています 。ですからどちらの病気も多くの患者さんは動脈硬化のはじまる中年以降に発症 することが多いのです。  

三叉神経痛では、

[1]テグレトールなどの薬物療法、

[2]ブロック注射、

[3]開頭 手術、

[4]ガンマナイフ
などの治療があります。
どちらの疾患も頭の中で神経に血管がぶつかってい ることが原因ですので、手術はじかにこの神経を見て血管を引き離してくることになります。手術は全身麻酔で行います。耳の後ろの生え際を少し剃って、生え 際の中に5cmほどの傷をつけます。頭の骨に1円玉大の穴をあけて手術を行います。