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慢 性 蕁  麻  疹

                                                  
中 医 学 的 解 説

蕁麻疹の主な病因は 「風」
 蕁麻疹の主な症状は、常にともなう痺みです。また、急性の蕁麻疹の多くは、突然現れ、突然消えます。このような症状をひき起こす病因を、中医学では 「風邪」 と呼びます。風邪は、「六淫」 (風・寒・暑・湿・燥・火) と呼ばれる病因のひとつです。 風邪のうち、たいへん細かく肉眼では見えない大気中の物質や、風による体温の急激な変化といった病因は「外風」と呼ばれます。また、体内の病理変化によって、血液の成分や体液の成分のバランスがくずれ、体内が慢性の脱水状態(「血虚」や 「陰虚」 )になると、風が生まれます。これを「内風」と呼びます。内風というのは、からだの大小の筋や筋膜の栄養と潤いが失われるために起こる痙れんやれん縮をさします。これが微細な血液の循環を乱して、さまざまな病態を発生させます。

慢性の蕁麻疹は病因が複雑にからみあって起こる
 
慢性に経過する脱水状態(血虚や陰虚)のうち、血液の成分の異常によって風が生まれることを「血虚生風」といい、体液の成分の異常によって風が生まれることを「陰虚燥風」といいます。これらの風は、微細な皮膚の血液の循環を乱して、蕁麻疹をひき起こすようになります。 また、ふだんから美食を続けたり、お酒を飲みすぎたり、エビやカニ、魚や肉などを食べすぎたり偏食をしたりして消化器に負担をかけすぎると、消化しきれない飲食物がよぶんな水分(「湿」) となってたまります。 湿は時間の経過とともに熱を生み、熱と結びついて「湿熱」という邪気となります。湿熱は、胃に炎症を発生させ、血行の異常をひき起こします。これも蕁麻疹の病因となりますが、このようなメカニズムを「湿熱生風」といいます。

                                 
西 洋 医 学 的 解 説

現代医学では、痒みをともなう赤い発疹が突然現れ、数時間で消えるものを蕁麻疹と診断します。 このとき、皮膚は、真皮の血管が拡張するとともに、血液中の血漿成分がにじみ出た状態になっています。 また、主な随伴症状としては、痒みや局所の熱感のほか、声がれや悪心、気分不快感、頭痛などがあります。
 現在のところ、蕁麻疹の七割は原因が特定できませんが、主な原因としては、
@薬物
A食品(魚、乳製品、大豆製品、パン、ケーキなど)
B食品添加物
C吸入抗原(ほこり、花粉など)
D虫毒
E物理的刺激 (ひつかき傷、日光、寒冷、温熱など)があります。  蕁麻疹は、原因によって、三つのタイプに分けることができます。
 @薬物や食品、吸入抗原によって起こる蕁麻疹は、もっともよく見られるタイプです。そのうち、四週間以上続くものを慢性と診断しす。
 A発汗によって起こるコリン性の蕁麻疹は、運動や入浴、興奮、食事が発病の引き金となります。
 B物理的刺激によって起こる毒麻疹は、ひつかいたり、日光に当る、冷たい風に当たる、熱に当たる、水にふれるなどが原因です。