乾 燥 肌 角質層に水分を保つために、人の肌は皮脂膜という薄い膜に覆われています。 女性にとってはとくに気になる悩みです(ただし、重度の乾燥とかゆみ は「皮脂欠乏性 湿疹」という病気として扱われることがあります)。 それから、 乾燥肌が続くと敏感肌を合併してかゆみが出たり、シミができやすくなったりと 、 さらなる悩みが生じる原因にもなります。 こうした乾燥肌に対しては、日々のスキンケアと ともに、ライフスタイルの改善 が大事になります。 乾燥肌の原因 ● 体を洗うとき、ナイロンタオルでゴシゴシこすらない。 ● 石けんは低刺激性のものを。(毎日全身を石けんで洗う必要はない。) ● 熱めの湯に入らない。 ● 風呂上がり(シャワーの後)は、保湿剤を塗る(保湿剤は市販のものでOK) ● ウールや化学繊維など、皮膚に刺激のある洋服・下着は身につけない。 ● 睡眠をしっかりとる。 ● 緑黄色野菜を中心に、野菜をたくさんとる。 ● 鉄分をしっかりとる。 ● 禁煙 ● 日焼け止めや帽子、日傘などで、紫外線対策をしっかり。 ● 加湿器などを利用して、部屋を乾燥させない (ホットカーペットや電気毛布はNG)。 乾燥肌などの皮膚のトラブルがあると、空気の乾燥や化粧品などの外的な要因が 問題だと考えがちですが、案外、体の内側の問題が肌トラブルのもとになっている ことがあるものです。たとえば血行状態が良くなければ、皮膚の細胞が必要と する 栄養や酸素が不足し、皮膚の新陳代謝が行われにくくなります。 「皮膚は内臓の鏡」という言葉があります。まさに漢方は皮膚の症状から体の中 の アンバランスな部分を見つけ出し、漢方薬を用いて修正していきます。アンバ ランスを 改善することで、結果的に皮膚の状態もよくなります。 漢方には「気・血・水(き・けつ・すい)」という考え方がありますが、皮膚が 乾燥した 状態は、このうちの血(血液やホルモンなど)が不足している「血虚( けっきょ)」や、 血のめぐりが悪くなる「お血(おけつ」が関係すると考えられ ています。 そこでこの「血虚」や「お血」を改善するような漢方薬が、年齢や体 質などを考慮した 上で、用いられます。 乾燥肌の治療に用いられることが多い漢方薬 四物湯(しもつとう)、婦宝当帰膠 (ふほうとうきこう) 、温清飲( うんせいいん)、当帰飲子(とうきいんし)、十全大補湯 (じゅうぜんたいほと う)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)など 漢方の診察は、独自の 「四診」と呼ばれる方法がとられます。一見、ご自身の症 状とはあまり関係ないように 思われることを問診で尋ねたり、お腹や舌を診 たりすることがありますが、これも病気の 原因を探るために必要なことです。 また漢方の服用だけではなく、スキンケアや日常 生活のケアなどをしっかり行っ ていくことが、乾燥肌の改善や予防につながります。 |