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                             乾 燥 肌
 
 乾燥肌とは肌の表面にある角質層に水分が不足してしまっている状態です。

角質層には15〜20%程度の水分が含まれているのが適正な水分量です。

適正な水分を含んでいる角質層は細胞が整然と隙間なく並んでいます。

きれいな肌を「ツルツル・スベスベ」と表現しますが、これは角質層が水分をしっかりと含

みきれいに隙間なく並んでいる状態のこと。一方乾燥肌になると角質はめくれ上がり

かさかさの状態になります。

乾燥肌を触ってみるとめくれ上がった角質によって「ザラザラ」したような感触があります。

角質層に水分を保つために、人の肌は皮脂膜という薄い膜に覆われています。

皮脂膜は毛穴から分泌された汗と皮脂が混ざりあった物です。

皮脂というと最近ではあまり良いイメージがないようですが、肌を乾燥や外的刺激から

守ってくれるとても大切な物なのです。

乾燥肌は病気ではありませんが、お化粧ののりが悪くなる、年齢より老けて見え るなど、

女性にとってはとくに気になる悩みです(ただし、重度の乾燥とかゆみ は「皮脂欠乏性

湿疹」という病気として扱われることがあります)。

それから、 乾燥肌が続くと敏感肌を合併してかゆみが出たり、シミができやすくなったりと 、

さらなる悩みが生じる原因にもなります。 こうした乾燥肌に対しては、日々のスキンケアと

ともに、ライフスタイルの改善 が大事になります。

乾燥肌の原因

● 体を洗うとき、ナイロンタオルでゴシゴシこすらない。

● 石けんは低刺激性のものを。(毎日全身を石けんで洗う必要はない。)

● 熱めの湯に入らない。

● 風呂上がり(シャワーの後)は、保湿剤を塗る(保湿剤は市販のものでOK)

● ウールや化学繊維など、皮膚に刺激のある洋服・下着は身につけない。

● 睡眠をしっかりとる。

● 緑黄色野菜を中心に、野菜をたくさんとる。

● 鉄分をしっかりとる。

● 禁煙

● 日焼け止めや帽子、日傘などで、紫外線対策をしっかり。

● 加湿器などを利用して、部屋を乾燥させない (ホットカーペットや電気毛布はNG)。


乾燥肌などの皮膚のトラブルがあると、空気の乾燥や化粧品などの外的な要因が

問題だと考えがちですが、案外、体の内側の問題が肌トラブルのもとになっている

ことがあるものです。たとえば血行状態が良くなければ、皮膚の細胞が必要と する

栄養や酸素が不足し、皮膚の新陳代謝が行われにくくなります。

「皮膚は内臓の鏡」という言葉があります。まさに漢方は皮膚の症状から体の中 の

アンバランスな部分を見つけ出し、漢方薬を用いて修正していきます。アンバ ランスを

改善することで、結果的に皮膚の状態もよくなります。

漢方には「気・血・水(き・けつ・すい)」という考え方がありますが、皮膚が 乾燥した

状態は、このうちの血(血液やホルモンなど)が不足している「血虚( けっきょ)」や、

血のめぐりが悪くなる「お血(おけつ」が関係すると考えられ ています。

そこでこの「血虚」や「お血」を改善するような漢方薬が、年齢や体 質などを考慮した

上で、用いられます。

乾燥肌の治療に用いられることが多い漢方薬 四物湯(しもつとう)、婦宝当帰膠

(ふほうとうきこう) 、温清飲( うんせいいん)、当帰飲子(とうきいんし)、十全大補湯

(じゅうぜんたいほと う)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)など 漢方の診察は、独自の

「四診」と呼ばれる方法がとられます。一見、ご自身の症 状とはあまり関係ないように

思われることを問診で尋ねたり、お腹や舌を診 たりすることがありますが、これも病気の

原因を探るために必要なことです。 また漢方の服用だけではなく、スキンケアや日常

生活のケアなどをしっかり行っ ていくことが、乾燥肌の改善や予防につながります。