現在、一人暮らしをしているお年寄りは多い。一人ですまなくては行けない理由がある。そのような人の中には、若い人と一緒にいられない頑固さを持っている方がいる。頑固な人ほど認知症になりやすい。また、しっかりしているように見えるが、大切なところがどこか抜けてしまっている場合がある。 認知症の対策としては、脳の血流を保持していくことと、一番大切なのは体温を保持することである。
老化現象としての物忘れは、物事の一部だけを忘れていることが多く、ヒントが与えられれば思い出すことができる(良性健忘)。認知症による物忘れは物事や体験の全体を忘れてしまい、ヒントが与えられても思い出すことができない。例えば、今朝の食事内容を覚えていないと言うだけでなく、朝食を取ったと言う体験そのものを忘れてしまっている場合は病的であると言える。 ● 認知症の初期のころは、同じことを何度も尋ねたり、物をなくして大騒ぎをしたり、大切な伝言を忘れてしまったりする。 ● 新しい事を覚えることは大変困難だが、昔のことは比較的正確に思い出すことができる。 ● 時間(今日は何月何日か、季節はいつか、朝か昼か夜か)、場所(自分がいるところがどこか)、人物(自分の前にいるひとは誰か)が分からなくなってくる(見当識障害)。 ● 段取りが悪い、お金の勘定ができない、話のつじつまがあわない、服を前後反対に着てしまう、などさまざまな知的機能の低下が見られるようになる。 ● 記憶、見当識、計算、言葉の理解、判断力、計画性などのいわゆる「認知機能」が広範に障害される病気が「認知症」。 ● 認知症は重度になるにつれ、「誠心症状」や「行動異常」も出現してくる。 ● 「財布が盗られた」、「嫁が食事を食べさせてくれない」、「誰かに襲われる」などの「妄想」がしばしばみられる。 ● 自宅にいるにもかかわらず家に帰ると言って外出し、徘徊するといった行為や、夜中に興奮状態となり昼夜逆転が見られることもある。 ● 道徳観、清潔感も失われてくるため、入浴拒否や、所かまわず排尿や排便をしてしまうような不潔行為がみられることもある。
認知症の原因となる病気には多くのものがある、特に多いのが脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症である。この二つとその混合型をあわせると、認知症全体の八割から九割をしめると考えられている。 ● 脳血管性認知症 脳梗塞(脳の血管に血栓という血の固まりが詰まった状態)、脳出血(脳の血管が破れて出血した状態)など脳の血管に異常が起きた結果、認知症になるもの。 ● アルツハイマー型認知症 脳の細胞が変性したり(性状、性質が変わる)消失した結果、脳が縮んで認知症になるもの
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